私のソンクラーン初体験記 一部・「たわごと」より抜粋
-4月9日-
タイでは正月が1年になんと3回もやって来る。まずは世界的な正月、2回目が中国の旧正月、そしてこの4月13日〜15日のバラモン陰暦の新年・タイ正月、通称「ソンクラーン」。ソンクラーンは別名「水かけ祭り」とも言って、タイの国全土で水をバシャバシャと容赦なくかけ合う祭りなのだそうである(外国人も例外なし)。私は当然ソンクラーン初体験なので、この対策をバンコク在住12年の日本人に聞いたところ…、答え・「強力な水鉄砲を買え!!、カッパ等の水よけは戦闘意欲を相手に与えるだけ逆効果!!、機器関係は持ち出したらヤラれる」。
私は最近バイクタクシーと共にソーンテウという、いわばトラックの荷台に乗るようなバスをよく利用している(右写真)。『ソンクラーンの時、このバスに乗っている=道端にいる子供の格好の餌食』、なんだそうで、ある意味楽しみ。明日にでも強力な水鉄砲、買いに行ってこよう。
-4月13日-
ソンクラーン初日。今日まで滞在していたコーサメット(サメット島・別記参照)を離れるため、島の船着場へ向かう帰路、小さな子供たちが大きなバケツの周りに集まっていた。嫌な予感はしたものの、そこを通り過ぎようとした瞬間、案の定「ビュッ」と水鉄砲で水を思い切りかけられた。道は島の主要道路で、今日この島に来た観光客もソーンテウに乗ってバンバン通過していく。もうソーンテウに乗っている観光客は覚悟しているのであろう、あえて避ける事無くそこを一気に突っ走る。そして子供らは容赦なく車に水をぶっ掛ける。もう車も人もビショビショ。それにしても子供らは本当に楽しそう。デジカメを持っていたが、いつこちらも狙われるかわからないし、狙われたら一貫の終わり。この写真もある程度距離を置いて撮影したものの、十分に子供らの戦闘武器の射程圏内であり、非常に危険な状態であった。
まだサメット島は地方だったので小さな子供たちだけであったが、バンコクに帰ってくると「子供たち+若者たち」が水かけを楽しんでいる。やっぱり若者たち(野郎)はどこの国もたちが悪い。本当に外国人だろうと容赦なく知らん物同士で水をバッシャバッシャかけあっている。
こちらがカメラを向けた瞬間だった。やつらは尋常でないほど騒いでトラックの荷台を降りてきた。車は渋滞で、全く動かない。それをいい事にドンドン降りてくる。ついに囲まれた。一斉放射。凄まじい。完全防備のワゴン車に乗っていたから撮影出来たものの、外にいたら間違いなくカメラはやられてしまったであろう。それにしても何事もやられっ放しというのは面白くない。今日のところは仕方が無いので、ここら辺で身を引くとして、明日は必ずやつらをギャフンと言わせてやる。タイ人と日本人の仲間と共に明日戦闘に行くことを約束。いよいよ購入したウォーターガン(水鉄砲)、発動の時!!
(左)長距離用大砲
(右)至近距離用、ダブル小銃
-4月14日-
バンコクの中心部にカオサン通りという所がある。ここは昔から安宿が集まっている場所で、世界各国から来る旅行者の溜まり場であり、安い飲食街であり、そしてソンクラーンのメッカ(いわゆる無法地帯)。せっかくバンコクに居るのだからと、タイ人と日本人の仲間と共にカオサン行った。凄まじい祭りである。ここはわずか数百メートルの通りなのだが、人、人、人の超満員状態。すれ違う見知らぬ人同士でひたすら水をかけ合い、顔には石灰(らしきもの)で出来ている「オシロイ」を塗りたぐっていく。もう服の汚れなんか気にしている場合じゃない。写真はカオサンの入口付近でなんとか撮影。カオサンの中ではカメラを死守するのがやっとで撮影は不可能。
↑ここをを警備している警察官の背中にも誰かの手跡が…、まさに「無法地帯・カオサン」 というかタイ全土がこんな感じ |
この時期のタイは一年の内で最も暑い。けれど、こうやって水かけをしていたら、みんな40℃の暑さなんて感じなくなってしまうのが不思議。と、いうわけで服はビショビショ、顔はオシロイでグチョグチョになって私のソンクラーン初体験は終了。ホントに凄かった。一度体験の価値はあり。でももう来年以降は御免かも。