“虫”を、食べた…。
「マイペンライ」なんて気持ちはどこにも無い。 タイの中では比較的貧しいといわれているイサーン(東北地方)出身者と食事をした時の事である。タイの食べ物で「これはちょっと食べられない・・・」と思っていた“虫”をとうとう口にしてしまった。
イサーン地方は昔より決して肥沃な大地では無かった為、農耕などの産業活動による経済発展が遅れてしまっていた。
そのため、イサーンの貧困地域の人々はどうしても肉・魚などのタンパク質摂取が不足しがちになり、それに代わる重要な摂取源として“虫食”が普及したということがある。
都会バンコクで働いているイサーン出身者にとって虫は正に“故郷の味”。
彼らは「虫は栄養価も高いし、アテには最高!日本人の枝豆、銀杏と一緒!!」と私にはワケの分からない事まで言っている。
バンコクでもイサーン出身者か集まるような屋台街や社交場の前には、必ずといっていいほど「虫の専門屋台」が登場する。
イモ虫、タガメ、こおろぎ、バッタ、そしてサソリ…。カリカリに揚がっているそれらの虫は、とても廉価で、彼らはスナック感覚でこの虫たちをバリバリと食べている。
先日のこと、同じ職場で働くイサーン出身者宛てに田舎から一つの郵便小包が届いた。彼にその箱を渡すと、嬉しそうに箱を空け、早速中を見せてくれた。
私「!!!!!!!(絶句)」。
中に入っていたのは、生きていたトカゲ(しかもウジャウジャと大量に…)。腕に乗せたら、私に真っ直ぐ向かって這って来た。
【彼らに教わった食べ方】
1. |
まず頭に強い衝撃を与え、気絶(ショック死)状態にさせる。 |
2. |
火で体全体をあぶり、表面にあるうろこを手でこそげ取る。 |
3. |
指で腹を開き、内臓を取り出す。 |
4. |
網の上で本焼きする。 しっかり火を通す。 (結構香しい匂いを発する。) |
5. |
火が通ったら、頭からみじん切り。 この状態では、元が何なのかは全く分からない。 |
↓ |
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6. |
食べるかどうか3分間迷う。 |
7. |
結局頭を食べる勇気は無く、白身が見えていた尻尾を一口、
「パクッ!!」。 |
8. |
「おっ、結構美味い。」 しかし二口目には手が伸びず。終了。 |
トカゲを食べるのは、これが最初で最後だと思う。 そういえば、日本の一地域でもバッタは食べられている事を思えば、なんて事はないのであるが・・・。 食べられる虫類を目の前にしたとき、彼らイサーンの人たちは私に必ず「マイペンライ」と言って食べさせようとする。
しかし、私にしてみればこの状況で「マイペンライ」なんて言葉は浮かぶはずも無い・・・
しかし、そんな彼らでも、バンコクの虫はマイペンライではないそうだ。
その理由は「清潔じゃないから」との事。イサーンの虫は清潔だからOK、というのは納得できるようなできないような・・・。
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